寺の花ものがたり(250) 鞍馬寺(京都市左京区)紅葉=11月後半
叡山電鉄で鞍馬寺に向かう路線は、紅葉の間を通っていく。展望列車「きらら」は、窓が天井の一部まであって、紅葉の時期には大変な人気になるらしい。
鞍馬寺は山の中にある。何度か登ったが、ちょうど紅葉のピークに行ったことがある。山一帯が寺域だが、全山紅葉というわけではない。それでも要所には紅葉がうまく配置されている。
まず、登り口の山門のあたりで、黄と赤の混じった紅葉が迎えてくれる。その時はケーブルに乗った。降りてから本堂へと歩いて登って行く。最後は石段で、ここでも紅葉が待っている。やはり、赤い葉をつけている木と、黄色の葉の木が入り混じっていた。
霊宝館の兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)を見た。平安時代の仏像。案外穏やかな顔、ワンピースのような衣装で、動きは穏やか。イヤリングをしている。耳璫(じとう)型で、耳たぶをはさんでいるような形をしている。
仏画で耳飾りをしているものはよくあるが、仏像では多くない。それを見るのが主たる目的だったが、紅葉という山飾りを見ることができて、特をした気分になった。
◇鞍馬寺(くらまでら)◇
京都市左京区鞍馬本町1074。出町柳駅から叡山電鉄で鞍馬駅下車。徒歩またはケーブルカー利用のうえ徒歩10分。075-741-2003。770年(宝亀1)に、鑑真和上の高弟鑑禎上人が毘沙門天を本尊として奉安したのが起こり。入山有料。
(梶川伸)=状況が変わっていることもありますので、ご了承ください。2020.11.20
更新日時 2020/11/20