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編集長のズボラ料理(461) キャベツのクミン味・レンジでチーン

大葉の千切りをふってもいい

 スーパーでキャベツを買うと、悩ましい問題が2つつきまとう。それは1回に食べる量に関係がある。
 群馬県嬬恋(つまごい)村で、高原キャベツの畑をみたことがある。一面の緑。夏でも涼しいうえに、緑がさわやかさを加える。高原という名前もいい。これなら、ムシャムシャ食べることができる。はらぺこあおむしの⑦話だが、人間はそうはいかない。キャベツは主食ではなく、あくまでも副食だからだ。
 キャベツ、ご飯、みそ汁をお代わりできる豚カツ屋さんがある。当然、お代わりをすべしで、豚カツを食べるスピードを落とし、キャベツを口に運ぶピッチを速める。で、狙い通り追加注文する。
 ところがその時点で豚カツは3分の1しか残っていない。食べ進めるうちに豚カツはなくなり、キャベツだけをソースにつけて食べることになる。そして思う。お代わりは少しにしておけばよかったと。
 もう遅い。そこで、ほかのテーブルで同じように苦闘している人を見て、何となく安心する。それがキャベツである。
 2度づけ禁止の串カツ屋さんでも、キャベツ自由の店がある。しかし、キャベツばかり食べていられない。店員の目が気になる。青虫の着ぐるみをつけていれば別だが。つまり、キャベツは1度に食べられる量は大したことはない。それは家でも同様だ。
 そこでスーパーで、2分の1カットのキャベツを買うとする。それでも1回では食べきれず、残ってしまう。そうすると、冷蔵庫に入れておいたとしても、切り口から黒ずんでくる。これは困る。
 それではと、1個丸ごと買う。これは困る。食べても食べてなくならない。はらぺこあおむしにはんれないので。
 2つ目の悩みは、キャベツの外側の葉をどこまで捨てるか、丸ごとを買った場合、葉がたくさんついているので、1枚2枚とむいていっても余裕があり、ついついむきすぎてしまう。タマネギなら、むいて捨てる部分は茶色いからわかりあるいが、キャベツ色が一緒なので、どこまでむいても、どこでやめても、どうも自己満足がなく、モヤモヤ感が残る。
 キャベツを細切りにする。容器に入れ、鶏がらスープの素、クレイジーソルト(なければ塩、コショウ)、クミンの粉末をふりかけ、ラップで覆って、レンジでチーンをする。取り出してスダチを少し絞り、大葉の千切りを加えてよくかき混ぜる。
 酒のつまみ、ご飯のお供のような食べ物である。あおむしでは、はらぺこが収まらないかもしれない。(梶川伸)2020.12.04

更新日時 2020/12/04


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