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寺の花ものがたり(230) 釘抜地蔵(京都市上京区)枝垂れ桜=3月末~4月上旬

2018年3月31日撮影

 寺は正式名よりも、釘抜地蔵の通称で親しまれている。空海が掘ったとされる地蔵は霊験あらたかで、体や心の苦しみを抜き取るということから苦抜き(くぬき)地蔵と呼ばれた。それがやがて、釘抜地蔵と言われるようになったとか。
 小さな山門に「釘抜地蔵尊」と書いた大きなちょうちん、「釘抜地蔵菩薩」の文字のある白に青・赤・黄色を配した小さめのちょうちんが下がっている。その下をくぐって境内に入ると、すぐ正面小さな本堂があり、赤いちょうちんが並んで吊り下げてあった。
 庶民的な寺のようで、お参りの人は多い。釘と釘抜きが取り付けてあるお礼の絵馬のようなものが、たくさん奉納されていた。
 山門のそばの枝垂れ桜が美しい。花びらは八重だが、柔らかいピンク色をしていて、上品は姿に見える。枝は細く長く垂れている。緩やかな風に揺れ、春の心地よさを演出する。

◇釘抜地蔵(くぎぬきじぞう)◇
 正式には石像寺(しゃくぞうじ)京都市上京区花車町503。JR京都駅より京都市バス206系統北大路バスターミナル行きで25分、千本上立売バス停から徒歩すぐ。075-4141-2233。819年に空海が唐から持ち帰った石で地蔵を刻んで創建したと伝えられる。本尊は地蔵菩薩。境内自由。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください。2020.03.21


更新日時 2020/03/21


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