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心にしみる一言(226) 一つ散れば、次が咲く

西林寺の唐古椿

◇一言◇
 一つ散れば、次が咲く

◇本文◇
 辞書によると、頭上や左右に髪を残して刈るヘアスタイルを唐子という。中国風の子どもの姿も唐子で、唐子人形や唐子踊りといった言葉もある。
 唐古椿は、唐古の髪型に似ていることから名づけられた。その古木を見るために、兵庫県西脇市の西林寺を訪ねたことがある。
 花は濃い紅色で、おしべが花弁化して、花芯はフリルを寄せ集めたような塊となって、盛り上がっている。樹齢は200年を超す。
 根回り1メートルあまり。樹高は8メートル。枝は幅8~9メートルに広がっていた。
しかし200年の樹齢を考えると、それほど大きな感じがしない。椿は成長が遅いのだろう。
 花の期間は結構長い。住職に聞いて、返ってきたのが、取り上げた言葉だった。落ちた花も風情があり、「すぐには片付けない」とも話した。
 貴重な椿なので、挿し木で2世を育てていた。ただし、種を取って育てるのは難しいようだ。「先祖帰りをして、普通の椿に戻る」と言うから、植物とは不思議なものだと教えられた。
(梶川伸)2020.03.11

更新日時 2020/03/11


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