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心にしみる一言（221）　閉店は日没１時間後

なら町の風情

◇一言◇
　閉店は日没１時間後

◇本文◇
　奈良市・なら町は、古い家並みが続くエリアで、観光客も多い。
　かなり前のことになるが、新しくできた店で昼食をとり、そこで聞いたのが、取り上げた言葉だった。奈良名物の食べ物を売る店とセットになっていたが、その後に夜も営業することになったので、店の名前は出さないが。
　なら町は家が軒を連ねていて、空地は少ない。この店の敷地には、東西方向に細い空間があり、ちょっとした庭になていた。
　その空間からは、奈良と大阪を隔てる生駒山が見える。このため、入り組んだ町中なのに、何にも遮られずに生駒に落ちる夕日が見える。店はこの風情を大事にし、「日没１時間後が閉店の時刻」と決めていた。このゆるやかな時間設定に風情があった。（梶川伸）2020.02.03

更新日時　2020/02/03

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