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編集長のズボラ料理(369) 素揚げナスの酢・ラー油漬け

小麦ランドでは、小さなナスを丸ごと素揚げしていた

 遍路仲間が毎月1回、大阪市・新大阪のリーゾナブルな中華料理店「小麦ランド」に集まる。店にとっては、手間がかかるのに、あまりもうけにならない客である。
 近くのニューオオサカホテルがやっているので、料理はちゃんとしている。20年あまり前、ホテルを取材したことがある。メーンのレストランは中華の店で、売り物は薬膳。そこのシェフは、大阪の中華料理店の団体のトップだったと記憶している。
 集まりは10年ほど続いている。今の支配人は4人目になるから、歴史を刻んでいる。ほとんどの料理が1000円以下という理由が大きい。
 スタート当時はそれなり食べていた。今は平均年齢が75歳くらいなので、食べる量はしれている。店には「あまり食べないで申し訳ないなあ」と、定期的に声をかけている。
 最初に頼むのは、ギョウザと決まっている。フルメンバーは8人。出席者が6人以下なら2人前、7人以上なら3人前と、厳格な基準がある。1人あたり2個見当で、余った3個目は女性メンバーが食べる。
 1人当たりにすれば100円にも満たないのに、ギョウザ用の小皿が用意される。その皿にしょうゆ、酢、ラー油を注ぐ。しかし、2個か3個分の少量分を入れるのは至難の業なので、食べ終わってもたれが余る。そんな小皿を洗うのを考えると、定期的な声かけは欠かせない。
 ギョウザとともに、僕が好みで1品か2品選ぶ。それ以降は、エビチリであったり、麻婆(マーボー)豆腐であったり、青椒肉絲(チンジャオロースー)であったり、おおむね1人が1品選んで順番に注文する。
 これは店にとっては、えらい迷惑だと思う。1つの料理を1人ずつに分配すれば、わずかな量になる。それなのに店は料理が出るたびに、人数分の新しい取り皿を運んできてくれる。だから、声かけは必要なのだ。
 締めはポテト。これも男性組はあまり食べないので、1皿で十分。そして最長老が「今日も楽しかったね」とつぶやいて、お開きとなる。
 今回は小麦ランドで食べたものを、簡単にアレンジした。ナスへたを取り、ゼブラ状に皮をむいて、太めの輪切りにし、素揚げにする。酢とラー油を合せて、それに着ける。わが家で食卓に乗せても、銘々皿はなし。(梶川伸)2019.108.30

更新日時 2019/08/30


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