編集長のズボラ料理(851) ワサビいなり
デパートの食品売り場に、いなりずしの店「豆狸」がある。いつも客が列を作っている。
たかが、いなりなのに。そう思ったのだが、1度買ってみようと考えて、列の最後に並んだ。いくつも種類はあったが、初心者なので普通のいなりを買った。
食べてみて、ただ小さいだけじゃないか、と思ったのだが、次に豆狸の前を通ると、相変わらず並んでいる。そこで考えた。いろいろないなりがあるから、人気なのではないか。
確かに変わったいなりがある。阪急電車十三駅の構内の店では、びっくりするいなりを買った。「毎月17日はいなりの日」という表示とともに、「17日だけ、あんこいなりを販売している」と宣伝してあったからだ。
恐る恐る2つだけ買って食べてみると、想像とは違った。あんこが入っているわけではなかった。アズキを少しだけ甘みを加えて煮てあり、それをご飯に加えてあった。赤飯に近い印象。きな粉もついていたが、使わなかった。かければ、邪道いなりになってしまうのではないか。
娘にその話をすると、「豆狸ワサビいなりが人気」と教えられた。そうだったのか。デパ地下で買って、遊びに来た娘に出した。食べて一言。「スーパーで煮たあげを売ってるから作れると思うよ。わさわざ豆狸で買う必要なし」
その言葉で、豆狸は卒業してしまった。2年ほど経って、スーパーでいなり用の煮たあげを見つけ、「よし、作ってみよう」と思い立った。しかし、どんな味だったが、全く覚えていない。だから、作り方などわからない。当てずっぽうでしかないが、ズボラ味も加えることにした。
スーパーでいなりあげと、刻んだミブナの漬け物を買う(長いままのものなら刻む)。ユズの皮を細かく切る。コンブを入れてご飯を炊く。ご飯を大きな平たい皿に入れ、うちわがクリアファイルのようなものであおぎながら、すし酢をふって混ぜ酢飯を作る。ミブナは水分を切ってボウルに入れ、ワサビを加えて混ぜる。それとユズを酢飯に加えて混ぜる。酢飯をいなりあげに詰める。
娘が食べたので、豆狸との比較を聞いた。すると一言。「豆狸のは食べたことなからなあ」
随分前だが、京都市の回転ずし「寿しのむさし」に行た時、抹茶いなりを食べたことがある。次はこれだ。どんな味だったか覚えていないが。(梶川伸)2026.02.04
更新日時 2026/02/04