寺の花ものがたり(220) 元興寺(奈良市)蓮=7月上旬~下旬
元興寺を訪ねたのは、桔梗(ききょう)を見るためだった。桔梗については、「寺の花ものがたり」の172回で紹介したことがある。
山門をくぐると、まず目に入って来たのは、蓮(はす)の鉢だった。正面の本堂の手前に、50ほどが並んでいる。
花はピンクが中心だが、白も混じる。バックは本堂の焦げ茶色の格子戸。蓮に光があたると、格子に浮かび上がって見える。
寺の人に話を聞くと、今年は花の咲き方がポツポツだそうだ。いつごろまで鉢を出しているのかを尋ねると、「花がなくなるまで」との答。当たり前なのだが、今年はそれがいつごろなのか、予想がつきにくいらしい。
◇元興寺(がんごうじ)◇
奈良市中院町11。近鉄奈良駅から徒歩20分。0742-23-1377。飛鳥時代に蘇我馬子が建立したとされる飛鳥寺(法興寺)が前身。平城京の造営にともなって、現在地に移転し、南都七大寺の1つとなった。今はその一部の伽藍を伝えている。屋根には一部、飛鳥時代の瓦が遣われている。本尊は智光曼荼羅。入山有料。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください2019.07.12
更新日時 2019/07/13