編集長のズボラ料理⑨ 焼きアボカドのみそマヨネーズ
友人の家に仲間が集まって、新年会を開いた。友人は主婦なので、手作りの料理を出すという。その言葉を聞いただけで、料理のメニューがわかった。「これっきりサラダ」である。
いろいろな野菜を適当に切って、大きな器に盛る。薄切りの牛肉を油で素揚げし、野菜の上にドサッと置く。後はドレッシングをかけるだけ。我がズボラ料理以上にズボラなのだ。「これだけあれば、ほかの料理はなくても良い」というので、「これっきりサラダ」と言うらしい。
最初に「これっきり」を食べたのは、20年近く前になる。10年ほどたって2回目に彼女手作り料理を食べた時も「これっきり」だった。3回目の手作りが今年の新年会だった。きっと、「これっきり」しか知らないのだろう。
だから、僕は彼女の料理の腕を全く信用していない。案の定、今回も「ドレッシングの配合を忘れた」とわめいていた。確か、前回もレシピを見ていたはずだ。
その彼女が教えてくれたのが、焼きアボカドのみそマヨネーズだった。「しゃれたものを」と言うと、「東京のホテルで食べた」と言う。ただし、自分で作ったことはないと白状した。やっぱり。
そこで僕が作ってみた。完熟までいっていないアボカドを縦半分に切り、種を取り除く。種をきれいに外すのは案外難しい。そんなことを別の友人に話した。こちらは信用が置ける。包丁の柄に近い部分の刃の角を種に突き刺し、包丁をひねると外せると教えてくれた。確かに、この方法なら2回に1回はうまく外れ、美しい半球状のくぼみができる。
オーブントースターにアボカドの切った面を上にして入れ、5分ほど焼く。少し焼き色がついた程度がお勧め。それを皿に置く。みそ少なめ、マヨネーズ多めで混ぜたものを、種の跡のくぼみに入れる。スプーンで食べる。アボカドにみそマヨネーズをつけながら食べても良いし、全部を混ぜてから食べても良い。
自分で食べるのは怖いので、まず娘に試食させてみた。すると、みそマヨネーズの代わりに「大根おろしとしょうゆでもいいよ」と偉そうに言う。仕方がないので、それも作って食べた。つまり、応用がきくということだろう。(梶川伸)
更新日時 2011/02/22