心にしみる一言(168) 子どもは本来、本が好きなんや。読み手も絵本が好きにならんと、子どもには面白さが伝わらん。きれいに読む、上手に読むという以前の問題やね
◇一言◇
子どもは本来、本が好きなんや。読み手も絵本が好きにならんと、子どもには面白さが伝わらん。きれいに読む、上手に読むという以前の問題やね
◇本文◇
「リュッサックには、いつも何冊かの絵本が入っています」。絵本の読み聞かせをしている諸岡弘さんを取材し、第一声を聞いて絵本が大好きだと伝わってきた。
本の取り次ぎ会社に勤めていた。ある時、子どものためのブックフェアを担当し、絵本にほれ込んでしまった。50歳を過ぎて、「自分は何をしたらええのか」と考え、「これしかない」と思ったのが、絵本の読み聞かせだった。定年まで5年を残して退職した。
得意なのは「じごくのそうべい」(たじまゆきひこ作)。「鬼が『ぷ-』とおならをするところがあります。子どもたちは、笑い転げるくらい喜びますね。面白いとスッと笑う。子どもは正直や。大人はニヤッとするけど、笑い声は聞こえません」。そんな子どもの反応に支えられた活動だ。
そして、取り上げた言葉。だから、子どもと同じ気持ちになるために、リュックから絵本を取り出しては、その中に入り込む。(梶川伸)2018.09.13
更新日時 2018/09/13