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寺の花ものがたり(170) 大日寺(高知県香南市)桔梗=7月上旬~中旬

2014年7月3日撮影

 四国遍路をしていて、梅雨の時期はどうもいけない。雨が強く降っているならあきらめもつくが、小雨であったり、降ったりやんだりだと、心が沈む。そんな時、寺に桔梗(ききょう)があるとホッとすることがある。
 四国88カ所開創1200年の年、毎日新聞旅行の先達で高知県に行った時もそうだった。朝からジトジトしていて、時折雨がパラついた。ところが28番・大日寺に着いたころにには、薄日が差し始めた。そうすると今度は暑い。日陰で般若心経をあげても、汗がしたたり落ちる。
 境内の桔梗が、救ってくれた。紫と白の花。数は多くはないが、見た目が涼やかだ。
鐘楼と桔梗の組み合わせで写真を撮ったが、同じ構図の写真を撮っている参加者がいた。「考えることは同じ」と言い合って、写真を見せ合った。
 そんな時にサッと風が走る。「極楽の余り風」という言葉を聞いたことあったが、暑いからこそ感じる心地良さだろう。桔梗も。

◇大日寺(だいにちじ)◇
 高知県香南市野市町母代寺476。土佐くろしお鉄道のいち駅から徒歩30分。南国インターから車で約20分。0887-56-0638。天平年間(729~49)に行基が開創したとされる。本尊は大日如来。四国霊場28番札所。境内自由。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください2018.06.30

更新日時 2018/06/30


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