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寺の花ものがたり(166) 平等院(京都府宇治市)蓮=7月上旬~8月上旬

2017年7月15日撮影

世界遺産の寺なので、さすがに参拝客が多い。鳳凰堂の周りの池に沿って、大きな鉢植えの蓮(はす)が並べてある。蓮は1つの鉢に、1つ花をつけているだけで、華やかさはない、しかし、花を手前にして鳳凰堂を撮るように、工夫の跡は見える。
 鉢には蓮の品種の名前がつけてある。花全体は白くて、花びらの先の渕だけがピンクの金輪蓮、純白の平等寺蓮。道案内に従って歩くと、池の中に睡蓮がさいている場所がある。花の色がピンクで目立つのだが、小さいので鳳凰堂との組み合わせで写真を撮るのが難しい。
 白光蓮は外側の花びらが開き、中心部は細く上に伸びたつぼみのまま。この風情もいい。漁山紅蓮はピンクの筋が印象的。毎葉蓮は小さめで、まだつぼみのまま。濃いピンクがひきつける。艶陽天もピンクで鮮やかに見える。
 鉢はそれほど多いわけではない。しかし、鳳凰堂というブランドによって、不満を与えない。
 コースに従って歩くと、宝物館の鳳翔館に入る。重文の十一面観音は左手に華瓶という花瓶を持っていて、中に蓮の花とつぼみが入っている。蓮の花を見た後にはいい。雲中供養菩薩が本堂から分離され、この施設で展示されていた、楽器を持つ菩薩が多いが、蓮を1輪手にしている菩薩もあった。

◇平等院(びょうどういん)◇
 京都府宇治市宇治蓮華116。京阪宇治駅から徒歩10分。JR宇治駅から徒歩15分。0774-21-2861。105年、藤原頼道によって開かれた。鳳凰(ほうおう)を屋上に乗せた鳳凰堂(国宝)には仏師・定朝作の阿弥陀如来像が安置され、周りに音楽を奏でる52体の雲中供養菩薩像を配している。世界遺産。入山有料。
(梶川伸)2018.05.25

更新日時 2018/05/25


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