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寺の花ものがたり(154) 毘沙門堂(京都市山科区)枝垂れ桜=4月前半

2017年4月12日撮影

桜の花を見に行った。満開だった。JR山科駅から緩い坂を登っていく。途中で山科の疎水があり、ここも隠れた桜の名所。桜が疎水に沿って並木を作っている。もう1つ、疎水に沿って菜の花が植えてあり、これも満開。黄色と白の組み合わせがあざやかで、ベンチで昼ご飯を食べているグループが「ここは穴場」と話していた。
最後は緩い石段を登って境内に入る。境内は狭く、中心に大きな枝垂れ桜が1本、おわんを伏せたような形に、白い花を広げていた。その横に、ピンクの小さな枝垂れが1本。
ほかにも桜の木がある。本では朱塗りの建物で、中に入ると寺の人が簡単な説明をしていた。本堂の朱と黒を背景にした桜もいい。本堂の格子天井の絵は真っ黒。護摩をたくらだそうで、堂を改修する際にすすを落とそうかと思ったそうだが、すすを撮ると絵に影響がでるかもしれないと考え、黒いままにしたとか。
境内が自由なのがうれしい。石段の周りの苔と木々のしっとりとした雰囲気と、境内の白い世界との対比が面白い。

◇毘沙門堂(びしゃもんどう)◇
 京都市山科区安朱稲荷山町18。JR山科駅から歩いて20分。075-381-0328。本尊は毘沙門天。大宝3(703)年、文武天皇の勅願で僧行基によって開かれたと伝えられる。当初は出雲路(上京区・御所の北方)にあったが、たび重なる戦乱から苦難の道をたどり、寛文五(1665)年に山科で再建。境内自由。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください2018.03.29


更新日時 2018/03/29


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