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心にしみる一言(138) もし女木島がニューヨークにあったら、地価は1番高いでしょうね

女木島の山から見た瀬戸内海

◇一言◇
 もし女木島がニューヨークにあったら、地価は1番高いでしょうね

◇本文
 20年ほど前、高松市に1年半ほど住んだ。そんな縁で、香川県が発行する冊子に、短い原稿を頼まれたことがある。県外に住む香川県出身者向けの冊子で、執筆者は全員、香川県で生活をした県外在住者だった。
 内容は、それぞれが気に入った場所について書く「香川県の思い出」だった。私は何について書くか迷ったが、高松港から小さなフェリーで20分の小島、女木(めぎ)島を選んだ。
 夏の光景が好きだった。小さな海水浴場があって、そこでは高松のビル街を見ながら泳ぐことができる。島が近いためだが、そんな海水浴場は滅多にない。そのことを書いた。女木島については、アメリカ人英語教師から聞いた話が印象的で、拙文の締めくくりに使わせてもらった。上記の言葉である。
 その英語教師は、アメリカ人の感覚について説明してくれた。「住むのは都心に近い郊外を好む」。もし女木島に住んで、小さなクルーザーでも持っていれば、高松港まで10分で着く。そこから市役所や県庁、デパートへは歩いて10分から20分。考えてみれば便利な島といえる。
 その英語教師がアメリカの両親を招いて、日本各地の観光地を案内した。両親が1番喜んだのは、高松港からフェリーで1時間ほどの直島だった。島では、モンゴルの移動式住居「パオ」のような施設に泊まった。これも大喜びだったという。このアメリカの人の感覚と、取り上げた言葉はリンクしているように思う。(梶川伸)2017.12.15

更新日時 2017/12/15


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