寺の花ものがたり(128) 高野山の紅葉(和歌山県高野町)=10月下旬~11月上旬
高野山は標高800メートルにある真言宗の聖地で、紅葉は山の下より半月は早い。金剛峯寺を中心として120ほどの寺が点在するので、「寺の花ものがたり」としては一括して「高野山の紅葉」とした。
金剛峯寺(こんごうぶじ)から蛇腹(じゃばら)道を通って、金堂などの堂宇が集まる壇上伽藍へ歩いて行くと、そこはモミジの木のトンネルとなっている。高野山の紅葉の象徴的な場所だ。堂宇を背景にすると、高野山らしい写真が撮れる。また小さな池の周りは、モミジの木が集まっていて、そこに身を置けば、秋の色に包まれる。
紅葉の名所はそこだけではなく、山上全体に広がる。霊宝館の前の庭も紅葉の天井となる。徳川霊台の周辺やそこへの道も赤く燃える。金剛峯寺前の駐車場の南側には、灯台躑躅(満点星躑躅=どうだんつつじ)の赤い帯が続く。山内で秋を探せば、飽きることはない。
◇高野山(こうやさん)◇
金剛峯寺は、空海(弘法大師)が開いた。高野山真言宗の総本山。和歌山県伊都郡高野町高野山132。南海高野線極楽橋駅から南海高野山ケーブルで高野山駅下車、南海りんかんバスに乗り、金剛峯寺前バス亭下車、徒歩すぐ。0736-56-2011。空海が入定(にゅうじょう=空海は信仰上、生きているとされる)した奥の院までは徒歩1時間。2004年、高野山町石道と金剛峯寺境内(6地区)、建造物12件が世界遺産に指定された。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください2017.10.22
更新日時 2017/10/22