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寺の花ものがたり(119) 萩原寺(香川県観音寺市)9月中旬~下旬

2013年9月20日撮影

早坂暁さんの「花へんろ」の名前を被せて、遍路旅のシリーズを企画し、先達を務めたことがある。花を求めながら、88霊場の巡拝した。札所に目立った花がない時には、コースを少し外れてでも、花を探した。
 9月の遍路旅で寄ったのが、香川県の萩原寺だった。香川県で萩の寺といえば、萩原寺と最明寺だ。最明寺は狭い境内にハギがあふれるように咲いているが、萩原寺は境内が広く、計算して萩が配してあるような印象がある。
 境内の萩は24種約2000株といわれれる。参拝をすませ、萩を見るには、最良の日だった。山門までの参道からして、左手に背の低い萩を重ねてこんもりとした植栽を作り、それが大師堂のそばまで広がっている。右手が背の高いハギが生垣を形作っている。根の部分のところどころに、彼岸花が顔を出している。山門の横にも萩があり、小さな紫色の花も見ながら石段を登っていく。本堂の前には、右手に紫、左手に白の木を植えてあり、これも様になっている。
 境内でカメラを構えていた男性に「別格を回っているのですか?」と聞かれた。萩原寺は、四国別格20霊場の16番札所になっている。88カ所の方を回っているのだが、花も見ながらの遍路なので、わざわざこの寺に寄ったことを説明した。すると、男性は「良い日に来た。来週になったら、花は散るよ」と返してきた。

◇萩原寺(はぎわらじ)◇
 香川県観音寺市大野原町萩原2742。JR観音寺駅からタクシーで20分弱。0875-54-2066。本尊は地蔵菩薩。創建は大同2(807)年と伝えられる。萩原寺を中心に周辺の、萩の丘公園、雲辺寺ロープウェイなどの会場で「萩まつり」が開催される。本堂で琴の演奏会や本堂前広場で茶会が行われる。境内自由。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください。2017.

更新日時 2017/08/25


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