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寺の花ものがたり(115)戒長寺(奈良県宇陀市)秋海棠=9月上旬~下旬

2004年9月15日撮影

  戒長寺は、大和富士を呼ばれる額井岳の山ろくにある。普段は人の姿を見るのはまれだ。それだけに、静かなたたずまの寺と言えなくもない。
 ただ11月中旬から下旬にかけては、カメラを手にした人が訪れるそうだ。境内に樹高30メートルの銀杏(いちょう)の木があり、境内を一面の金色に染めるらしい。
 私が訪ねたのは銀杏の2カ月前だった。目的は秋海棠(しゅうかいどう)。案の定、ほこに参拝者はいなかった。
 幅1.5メートルほどの石段を登る。鐘がついた小さな山門をくぐるり、古ぼけた本堂にお参りする。本堂の右側が斜面になっていて、一面に秋海棠が咲いていた。日が当たらない場所で、ピンクがしっとりしている。
 派手な花ではない。濃い目のピンクの細い茎のようなものが垂れ下がり、その先に薄目の花びらと、小さな黄色い毛糸のような玉がついていて、よく見れば可愛くもある。

◇戒長寺(かいちょうじ)◇
 奈良県宇陀市榛原戒場386。近鉄大阪線榛原駅から奈良交通の針インター行きバスで7分、玉立バス停下車、徒歩約40分。0745-82-2841。本尊は薬師如来。創建は平安時代後期。志納料。
(梶川伸)=状況が変わっている可能性もあるので、ご了承ください2017.08.04 

更新日時 2017/08/04


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