寺の花ものがたり(92) 法起寺(奈良県斑鳩町)連翹=3月下旬~4月上旬
奈良県斑鳩町は小さな町ながら、塔を持つ寺が3つある。古い歴史を持つ法隆寺、法輪寺、それに法起き寺だ。
写真を撮ったのは、10年以上も前。寺に行く道では、蓮華(れんげ)が咲いていた。最近は蓮華のある田が少なくなったが、一方で休耕田を活用して蓮華を見せるところもある。ここがどちらだったのか、今でもピンクのじゅうたんが見られるのかどうかは知らない。
境内の連翹(れんぎょう)は池の周りにあったが、数は少なく、木も大きくはなかった。しかし、花の黄色は目立つ。背景に最古の三重塔を配置すれば、塔と主役を競い合う。池のそばには、白い雪柳もあり、春の楽しさを演出する。
寺の外には、低い梅の木や菜の花。ハコベやナズナの小さな白い花。万葉の春が広がっている。(梶川伸)
◇法起寺(ほうきじ)◇
奈良県斑鳩町大字岡本1873。JR法隆寺駅から北東約2.5キロ。法隆寺、四天王寺、中宮寺などとともに、聖徳太子が建立した七ヵ寺の1つに数えられる。三重塔は高さ23.9メートルで、慶雲3(706)年に建立されたとし、国宝に指定されている。本尊は十一面観音。拝観有料。
=2017.03.11(撮影した時から状況が変わっている可能性もありますので、ご了承ください)
更新日時 2017/03/11