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編集長のズボラ料理(215) レンコンのフライのキーマカレーソース

フライもソース温かいも方がいい

 衝動買い、という言葉がある。つい欲しくなって買うことだ。買い物好きの女性に多いような気がするが、男である僕も衝動買いをすることがある。
 僕の場合、衝動買いのスケールがどうも小さい。たかが何百円、何千円単位で、万単位になるとこなど、ほとんどない。買い方がチマチマしている、と自分でも思う。
 徳島県松茂町に、地元産品を売る施設「とくとくターミナル」がある。そこで衝動買いをしたのが、「れんこんパウダー」だった。松茂町は鳴門市のすぐ南側にある。松茂町には取り立てて名産品はないが、鳴門市にはいくつもある。代表は鳴門ワカメ、鳴門金時、レンコンのトリオだ。隣町の売り場なので、間違いないはずだ。
 レンコンを粉にしたものが、「れんこんパウダー」だ、と思う。店員さんに聞くのも恥ずかしいので聞かなかったから、「と思う」としか言いようがない。
 値段はわずか200円か300円か、そのくらいだった。それでも、衝動買いには違いない。初めて見たものだったので、今度は勇気を出して店員さんに「何に使うの?」と聞いてみた。答は明快だった。「知りません」。それでも買ったのだから、衝動買い定義に当てはまるはずだ。
 買った後、1度も封を切ったことがない。何に使っていいかわからない。ひょっとするると、おしろいのような化粧品かもしれない。そうなると、料理には使えない。だから使わない。だから賞味期限が過ぎる。だから、サラのまま捨てる。衝動買いは、こんな結果を招く。
 先日は明石市で、明石名物の玉子焼き(明石焼き=つゆをつけて食べるタコ焼き)を食べた後、魚の棚で「じん粉」を買った。玉子焼きには、小麦粉とじん粉を混ぜたものを使うと聞いたから、衝動買いしてしまった。今回はチマチマせず、ドーンと1キロ買った。500円と安かったからではあるが。
 いま、じん粉は冷凍庫の中でドーンとのさばっている。玉子焼きを作ることはないので、使いようがない。いずれ、れんこんパワーと同じ運命をたどるに違いない。どうも、粉ものは相性が悪い。粉ったもんだ。
 れんこんパウダーには未練が残っているので、パウダーではない生のレンコンを使う。輪切りにして小麦粉をつけ、溶き卵に通してパン粉をまぶし、油で揚げる。市販のレトルトのキーマカレーのルーを温め、それをつけて食べる。なぜキーマなのか。たまたま家にあっただけの話である。(梶川伸)2016.09.12

とくとくターミナル じん粉

更新日時 2016/09/12


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