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心にしみる一言(59) 「かごめかごめ」は遊女の歌です

2012年8月2日の毎日新聞

◇一言◇
 「かごめかごめ」は遊女の歌です

◇本文◇
 かごめかごめ……後ろの正面だ~れ。幼いころに、輪を作って歌った。どこか物悲しい調べだった。遊女が歌ったのだと教えてくれたのは、身近な昔話を集めている加藤孜子さんだった。
 かごの中の鳥は、女性のこと。閉じ込められた世界で、不可能なことばかりに包まれた現実を、歌詞が表現しているのだという。
 加藤さんは、「地べたをはったもん」の話にこだわり、聞き書きを続ける。「ワテは7つの時に、テテオヤに炭3俵で、郭(くるわ)に行ったんだすわ。姉さんのふき紙洗うて、きれいにたたんで、姉さんに買うてもろうて、おだちんもろたりしまして、おとした(妹や弟)に何ぞ買ったりしました」
 この女性の話を聞き、話はそのまま伝えねばならない、と誓った。庶民の歴史に忠実に、と。(梶川伸)
=2002年8月2日の毎日新聞に掲載したものを再掲載2016.03.21

更新日時 2016/03/21


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