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心にしみる一言(58)  街頭紙芝居は、日本独自の路地裏文化 

2002年7月26日の毎日新聞

 紙芝居のおっちゃん、鈴木常勝さんは学生時代の1972年にアルバイトで公園デビューした。「やんちゃな子どもたちが元気やった」
以来、街頭紙芝居にこだわる。主たる収入源はほかにあるが、ボランティアではない。「ボランティアですると、楽しさの押し売りになるやろ」。自分の語りの魅力で子どもを引きつけて、100円の水あめやエビせんを売り、商売にする。
「絵を1枚1枚引き抜いて語っていく紙芝居は、ほかの国にはない」。しかも、それは楽しい世界でもある。「紙芝居のおっちゃんが大人として登場し、大人の世界も交えた話をするから」
お父さんやお母さんは「知らないおっちゃんには近寄るな」という。ちょっと怪しいおっちゃんが演じる紙芝居は対極にある。そこが楽しい。(梶川伸)
=2002年7月26日の毎日新聞に掲載したものを再掲載2016.03.01

更新日時 2016/03/01


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