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心にしみる一言(51) 何もしてもらわんでよろし。あぜ道でおかゆすすれたら、それでよろし 

2002年6月7日の毎日新聞

◇一言◇
 何もしてもらわんでよろし。あぜ道でおかゆすすれたら、それでよろし

◇本文
 ごみ焼却場の建設計画に反対していた大阪府松原市若林町の住民が先月、実質的な勝利集会を開いた。市が今年度予算で、建設費を計上しなかったからだ。計画発表以来、30年もたっていた。
長い運動を支えたのが、この言葉だという。計画推進のために、いろいろな条件や提案が示された。その際、町内で「ごりょんさん」(奥さん)と呼ばれる女性が、毅然として言った。
ご主人もご主人で、用地買収の交渉に訪れた担当者に言い放ったらしい。「持って帰りなはれ」。そう言われて、担当者は困ってしまった。農民の強さ、したたかさに違いない。
「ゼニのある者はゼニを出せ。知恵のある者は知恵を出せ。両方ない者は汗を出せ」。これも運動の中で生まれた名言の一つだった。(梶川伸)=2002年5月24日の毎日新聞に掲載したものを再掲載2015.12.31

更新日時 2015/12/31


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