編集長のズボラ料理② キャベツ炒めアンチョビソース味
大阪の酒飲みにとって、キャベツはありがたい食べ物だ。串かつ屋の中には、キャベツが無料の店があるからだ。「2度づけ禁止」でおなじみの新世界の串かつ屋に仲間で行った時、無料のキャベツをおかわりし、ひんしゅく気味だったこともあったが。
友人が京都の立ち飲み屋に行った。カウンターにあったキャベツをムシャムシャ食べていると、隣の客に怒られた。「オレのキャベツを食べるな」。その客が金を払って注文したものだった。京都は大阪とは違っていた。
弟が僕の家に遊びにきた際、料理好きの奥さんがアンチョビソースとバジルペーストを土産に持ってきた。「これを使えば何でもイタリアン」と。以来、「困った時のイタリアン」で、この2つを重宝している。
気に入っているのは、キャベツいためアンチョビソースだ。偉そうに名前をつけたが、実は所要時間1分あまり。料理というには少々おこがましい気もするが、ビールのあてにはもってこいと思っている。ビールは「飲みたい」と思った瞬間が大事で、口に運ぶまでの時間が勝負である。そんな時の私のつまみランクで、これは堂々と1位を占めている。もちろん、ご飯のおかずでも良い。
キャベツをざく切りにする。フライパンでオリーブオイルを熱し、キャベツを強火で1分ほど炒める。そこにアンチョビソースをたらして、さらに10秒。たらす量は好みだが、辛いので、少なめにしておいて、自分の舌に合うよう追加した方が無難だと思う。
アンチョビは、イタリア風イワシの塩辛のようなもの。イワシの姿が残ったフィレでも良いが、ソースになっているのも使いやすい。ちなみに、僕が使っているのはキューピー製で、阪急オアシスで見ると、80グラム入り298円だった。(梶川伸)
=ウェブで掲載したものを手直ししました◇地域密着ウェブ「マチゴト豊中・池田ニュース」第8号(2010年11月1日)
更新日時 2010/11/04