農民組合の産直野菜市が盛況
農民組合北摂支部協議会池田直売所(池田市井口堂1)が、毎週水曜日の午前10時から朝市を開いている。能勢、池田、箕面、豊中、吹田地区の生産者が採れたての野菜を出品する産直市場だ。協議会が事務所を2009年4月、箕面市から現在地に移転したのを機に、「地元の生産者と消費者が手をつなげるようにしたい」と始めた。今では、午前9時ごろから新鮮な野菜を買い求める客が行列を作り、開店30分ほどで売り切れてしまうことがあるほど盛況だ。
水曜日は、普段は事務所として使っているスペースを開放する。事務机の上は生産者の名前や写真、価格とともに、新鮮な野菜が山積みになる。
生産物を出すのは12、13軒の農家。取材した日は、ハクサイ、レタス、ラディッシュ、クリ、ユズ、ミズナ、キクナ、ダイコンなど旬の野菜が並んでいた。野菜のほか、米、果物、花、茶、ミソ、ジャム、つくだ煮などもある。
朝市を運営する協議会事務局長の松野久美子さんは、「今日は、ダイコンやミズナ、キクナがあふれているでしょ。地場ものが中心だから、野菜が重なることがある。夏にはトマトであふれかえる日もあった」と話す。
「自分の作った野菜を喜んでもらえると、作り甲斐がある」「今度は何を作付けしようか」と、作る楽しみが増えた生産者も多いという。「農民組合は食を守り、自給率を上げるのを基本にしている。生産者と消費者の顔が見える、いいコミュニケーションの場になっている」と松野さん。
生産者の1人で、大阪府から大阪エコ農産物の栽培を認められた農家、光久農園の光久紀美子さん(豊中市浜2)は「無農薬で、除草剤を使わずに野菜を作っている。これからは寒さとの戦いになるけれど、安心して食べてもらいたいから頑張らないと。喜ぶ顔が見えると、励みになる」と話す。
朝市の新鮮な野菜は、近くの保育園やレストラン、カフェからの予約も増えている。 (進藤郁美)
更新日時 2010/11/01