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編集長のズボラ料理(828) ハルサメの海鮮トマトスープ

ハルサメに味がしみ込むように

 「海鮮」という言葉に弱い。魚は好きだから、当たり前かもしれないが、実は「鮮」という文字の影響が大きいのではないか。「新鮮」の「鮮」の力は強いように思う。例えば、「魚屋」より、「鮮魚店」の方が印象がいい。
 和歌山県白浜町の「とれとれ市場」のことはよく聞くので、仲間で白浜に行った際に寄ってみた。海が近い魚中心の販売施設だから、新鮮なのはわかっているのだが、さらに「とれとれ」が追い打ちをかけている。それに引き寄せるられる。僕も。
 昼食に入ったのは、回転ずしの「海鮮寿司とれとれ市場」だった。「すし」だけでいいのだが、「海鮮」も「とれとれ」も入っているから、新鮮の2乗から3乗の力で訴える。それに誘われて、観光客がどんどん吸い込まれる。僕も。
 一般的な回転ずし店ではないクエなどもあって、確かに新鮮だし、満足した。実は新鮮でないものが1番印象に残った。回転ずしのレーンに、大きな梅干1個が入ったケースが回ってきた。これはびっくりで、思わず取ってしまった。和歌山らしいネタで、シャリなし。これはしばらく漬けておかなければならないので、決して「とれとれ」ではないのだが。
 それにしても、海鮮はよく使われる。店の名前は中華料理店でも。遍路仲間が時々集まって、一杯飲む。人数が7~8人数と多いので、中華料理店に入り、みんなで分け合って食べることもある。大阪市・梅田の香港海鮮飲茶とか。
 料理名では「海鮮」の2文字は普通に使われる。和食で最近食べたのは、兵庫県・淡路島で海鮮まぶし丼。西海岸が若者に人気らしいので、年寄り7人組で行った。海に面したテラス食べたが、そういうシチュエーションは若者の方が似合うのは思い知ったが。
 奈良市の居酒屋では、海鮮酒粕ワサビ和えをあてに1杯。これは年寄りらしかったので、胸を張って食べた。
 中華でも、おこげの海鮮あんかけはよく食べる。遍路仲間では、「港海鮮飲茶楼」にも時々いく。
 今回は海鮮を使った。エビとイカ。ただしイカが、ズボラ料理らしく手を抜いて、常備している冷凍ものを拍子木切りした。
 ハルサメはゆでる際、鶏ガラスープの素を加える。鍋にいれたままにして、柔らかくなったら、トマトジュース、赤ワイン、バター少々、コショウを加えて煮る。具はエビ、イカ、ミニトマト、チンゲンサイ。
 冷凍イカを使っているが、名前にははあえて「海鮮」の文字を使った。それほど海鮮は普通の言葉なのだ。(梶川伸)2025.10.02
 

更新日時 2025/10/02


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