このエントリーをはてなブックマークに追加

編集長のズボラ料理(125) レンコンのメンタイコ・マヨネーズ焼き

焼きすぎると、水分がなくなるので注意が必要

 シャキシャキがいいのか、コリコリがいいのか。レンコンをかんだ時の音である。
 レンコンは音の食べ物だと思う。それではかわいそうだから、食感と言ってもいい。いずれにしても、味は二の次ではないか。
 知り合いが新大阪のビルの1階で、喫茶店をしていた。今はもう店じまいしてしまったが。店の人気メニューは、カレーだというので、食べに行った。見た目は喫茶店の普通のカレーだ。
 口に入れると、歯に何か当たる。それが刻んだレンコンだった。これはシャッキシャッキの音だった。でも、味はといえば、カレーでしかしない。では、なぜレンコンを入れるのか。友人は「ちょっと面白いでしょう」とだけ言った。別に面白くない。カレーじゃないか。
 大阪駅から少し歩いた場所に、しばしばお世話になった居酒屋さんがあった。三重県名張市のおばちゃんがやっていた。おばちゃんが「ちょっと食べてみて」と言った。目の前に出てきたのは、普通のコロッケに見える。
 食べてみる。かすかに固いものを歯が感じる。それがみじん切りにしたコロッケだった。これはシコシコで、音にならない音だった。味はといえば、コロッケ意外の何物でもない。では、なぜレンコンを入れるのか。名張と何か関係があるのか。聞いてみると、「別の関係はないけど」と素っ気ない。
 僕はカラシレンコンが好きだ。その昔、食中毒で大騒ぎになったことがあったが、その後も食べ続けている。熱々を口に入れると、鼻にツーンとくる。よく考えれば、これだって味よりも辛みとツーンである。レンコンカレーやレンコンコロッケを笑ったり、けなしたりしている場合でない。
 門真市に住んでいる友人から、地元の大きなレンコンを2本もらったことがある。泥がついたままで、それを落とすのが大変だった。しかも、皮はむかないで食べる、という命令もあった。煮る、天ぷら、キンピラ、はさみ揚げと、次々作って食べた。でも、なくならない。料理は手詰まりで、どうしようかと考えていた時に、テレビでレンコンのメンタイコ・マヨネーズ焼きをやっていた。すぐに採用した。
 レンコンを薄めの輪切りにする。マヨネーズとメンタイコを混ぜ、レンコンの表面に塗りつける。それをオーブンで焼く。これはシャキシャキをもう少し強めて、ジャキジャキくらい。それでも、メンタイコ・マヨネーズの味には勝てないが。いったい、レンコンはどんな味なのか。(梶川伸)2015.03.29

レンコンカレー レンコンコロッケ

更新日時 2015/03/29


関連地図情報

関連リンク