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ちょっと味見を(22) 小イワシの刺し身

酔心の小イワシの刺し身

 先日、親類のお見舞いのため広島市に行った。その夜、いとこが案内してくれたのは、釜飯が名物の「酔心」とい店だった。まず注文してくれたのが、小イワシの刺し身。とろっとして、口触りが良い。
 小イワシの刺し身には、思い出がある。17年前、青春18切符で広島県尾道市に行った。一杯飲んで大阪に帰ろうとしてが、店を知らない。駅に売店の女性に聞いてみた。「海側は観光客向けで高いけえ」と言って、山側の居酒屋を「うちらが行く店」とことわって紹介してくれた。
 「くしま」という店だった。お薦めが小イワシに刺し身だった。500円と安いのだが、新鮮さが印象に残った。
 それから13年たって尾道市を訪ねる機会があった。「くしま」を探して行き、再訪の理由を告げ、小イワシの刺し身を頼んだ。大将は「いつも手に入るわけじゃないけど、今日はある」と言った。幸運な夜だった。値段が相変わらず500円だったことも。(梶川伸)

小イワシの刺し身

更新日時 2015/03/29


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