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心にしみる一言(2)  1秒でも長く生きる、それが僕の闘いだ

2001年5月17日の毎日新聞夕刊に掲載

◇一言
 1秒でも長く生きる、それが僕の闘いだ

◇本文
 この言葉には、もう少し続きがある。「それなのに、自ら命を断つ人は許せん」
 20年ほど前、筋ジストロフィー患者の大野忠夫さんの介助に加わった。大野さんは握力が100㌘単位に落ち、寝返りもできない状態だった。それでも自立した生活を求め、徳島市の県営住宅に1人で住んだ。「社会性を持ってこそ人間」と。
 「障害者だって飯も食えば、うんこもする」。特別視しない人間同士の付き合いを大切にした。障害者仲間は20歳代が多く、失恋続きの恋の話に花が咲いた。取り上げた一言は、若者の自殺が相次いだ際、目に涙をためるようにして語った。
 大野さんの兄も同じ病気で、30歳を前にして亡くなった。兄を超えるのが秘めたる目標だったと思う。闘い抜いたうえ、30歳前半で世を去った。(梶川伸)=2001年5月17日の毎日新聞に掲載したものを再掲載2015.01.19

筋ジストロフィー

更新日時 2015/01/19


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