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編集長のズボラ料理(103) 牛肉のみそ炒め、ナガイモソース

ナガイモは好みで多めに

 「切り落とし」には、大変お世話になる。それは、ひとえには安いからだ。
 ちゃんとした形になっていないからといって、卑下することはない。食べる時には、小さい方が食べやすいのだから。これが概論としての、僕も含めた切り落とし派の言い分である。
 切り落としの各論は、主にマグロと牛肉ということになる。まずマグロだが、切り落とし派はスーパーを頼りにする。デパートでは、ほとんど見ることはない。では、どうしているのだろう。切り落とし派はそれを考えると、夜も寝られなくなる。だから、考えない。
 マグロの切り落としを買うと、僕はたいてい漬けにする。それにすり下ろしたナガイモをかけて、あらをすべて隠してしまう。食べた客が「切り落とし?」と聞いても、「いやいや」としらばっくれる。
 牛肉の切り落としは、精肉屋さんに限る。スーパーは「細切れ」がほとんどだ。精肉屋さんでは、何種類も置いている店がある。選択の余地があるのはいいことだ。僕は奈良市・西大寺の近鉄百貨店が近く、その中に入っている福寿館を頼りにする。ここは切り落としも3種類から4種類あって、ありがたい。
 ただ、揃いすぎて困ることがある。1番ランクの高い切り落としなど、実に堂々としている。1切れが大きく、もはや切り落としとしての慎みを失っている。だから、普通の薄切り肉の下位ランクものと、全く値段の差ことになる。ただ、切り落とし派としては、迷っても最後は、律儀に忠誠を尽くしてしまう。
 牛肉を使う。もちろん僕は王道の切り落としにする。みそ、みりん、だししょうゆを混ぜて、たれを作っておく。ナガイモをすり下ろし、ワサビを入れ、だししょうゆも少し加えて、よく混ぜておく。肉をフライパンで炒め、たれにつけてもう1度炒める。皿に盛って、上にナガイモをかける。ワサビがきいていると、アクセントになる。(梶川伸)

切り落とし 編集長のズボラ料理

更新日時 2014/10/07


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