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編集長のズボラ料理(104) ナガイモのソテー、ノリの佃煮味

ナガイモは少し焦げ目がついた方が良い

 前回に続き、ナガイモである。モヤモヤ、モヤモヤしているからだ。「麦とろ」は、麦飯にトトロをかけて食べる。その「トロロ」とは、いったい何者なのか。
 トトロではない。トロロの正体のことである。ヤマイモのことなのか、ナガイモのことなのか。
 そんなことで頭を悩ましていると、自然薯(じねんじょ)が割り込んでくる。自然薯の正体は何なのか。山の芋(いも)なるものもあるから、さらにこんがらがってくる。
 トロロ、ヤマイモ、ナガイモ、山の芋、自然薯の相関関係はどうなっているのか。親子なのか、親類なのか。それとも、怪人二十面相で、実は同一人物ということもあるのか。
「大したことではない」と言う人がいるかもしれないが、考え出したらきりがない。同じイモの世界では、カルビーとコイケヤとナビスコのポテトチップスでは、どこがどう違い、どれを選ぶべきかというのと、同じレベルの問題である。
 そんなモヤモヤを解消すべく、三重県・御在所岳に行ったことがある。本当は違う。ふもとの菰野(こもの)町という名前、そこが産地の真菰(まこも)の響きに魅せられたからだ。もっと本当を言うと、センバツ高校野球に菰野高校が出たのがきっかけだった。もっともっと本当のことを言うと、御在所岳には行ったことがなかった、という単純な理由なのだが。
 昼ご飯はモヤモヤを晴らす意味で、菰野町の「茶茶」で食べた。「とろろめし」の店だからだ。これも本当のことを言うと、たまたま出会った人がその店を目指していて、僕もついていっただけだが。
 だしで味付けをしたトロロが、丼に入っていた。それを麦ご飯にかかけて食べる単純料理。そのころは確か980円だった。このトロロは自然薯だった。フーム。つまり、自然薯のトロロは、ご飯にかけるだけで料理になり、刻んだノリやネギといった薬味があればさらに良く、漬け物がついていれば、何杯でも食べられることが分かった。
 モヤモヤはほんの一部しか解消されなかったが、味に満足したので、まあいいか。事の本質部分は、今後の課題と楽しみに残しておこう。
 ナガイモは皮をむき、輪切りにする。フライパンにオリーブオイルをひいて熱し、ヤマイモの両面を焼く。焼き上がりを皿に乗せ、ノリの佃煮を上面に塗り、上から一味をふりかけて食べる。これは、ナガイモに限る。調理が簡単だから。(梶川伸)2014.10.17

御在所岳 真菰 菰野高校 茶茶

更新日時 2014/10/17


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