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身近な生き物たち(21) ナラ枯れ防除

今城さんの考えたナラ枯れ防除策を施した木=池田市の五月山で撮影

 全国各地でいま、ナラ枯れが問題となっている。ナラ枯れとは、カシ、シイ、ナラなど広葉樹が立ち枯れる現象だ。原因はカシノナガキクイムシ(以下カシナガ)という、体長5ミリほどの虫が媒介するナラ菌で、それが繁殖した木は、葉を真っ赤にして枯れていく。
 大阪府では2009年に高槻市で初めて確認され、豊中市と池田市でも2012年に確認された。対処方法は、他の木に被害が及ぶ前に対象木を伐採するか、薬剤による虫の駆除があるが、いずれも周辺環境への悪影響が懸念される。
 池田・人と自然の会の今城香代子さんは、そうした影響が出ず、また1人でも可能な防除方法を考えた。
 カシナガが住む木を見付ける。幹に直径1ミリほどの穴がある木が目安で、その穴の周りに濡れタオルを巻き付け、それをビニール袋で覆うだけだ。つがいで暮らすカシナガは、オスが穴の入り口付近で栓のようにとどまる習性があり、数日後にタオルをはがせば捕獲できる。
 木1本に数万匹いるとされるカシナガを捕獲するには地道な作業だが、今城さんは「環境に影響を出さない方法はこれしかない。今後は効率性も求めていきたい」と話した。(礒野健一)

更新日時 2013/06/11


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