身近な生き物たち㉒ 池田にやって来たニホンザル
池田市は6月上旬、井口堂や伏尾台でニホンザルの目撃情報があったと、ホームページ上で注意喚起を行った。目撃されたのはいずれも1匹で、群れから外れた同一個体とみられる。
ニホンザルの目撃情報は以前から報告されているが、2010年以降、その頻度が高くなっている。また、五月山や細河地区では数十匹の群れも目撃されている。これは、2010年4月に施行された「箕面市サル餌やり禁止条例」によって、餌の絶対数が減り、弱い群れが追い出される形で池田市など周辺地域へ移動していると考えられる。
「池田・人と自然の会」の下山孝さんは2011年9月、五月山で20~30匹の群れと遭遇し、毛づくろいや、木の上で休む様子を撮影した。翌月、山道で遭遇した際は、ボスと見られる大きなサルが威嚇をしてきたため、道を引き返すことになったという。
下山さんは、「ニホンザルを見かけたら、目を合わさないこと。目を合わせると、けんかを売っていると取られる」と話す。また、手に袋を提げたり、ガムをかんだり、口を動かす様子を見せることも避けるべき行為だ。「サルは意外なほど、よく人を観察している。大人より子どもを狙うのも、弱い個体だと認識しているから。山歩きの際は余分な荷物は持たず、リュック1つを背負って歩くのがいい」と、注意を呼びかける。
群れでの目撃例は、秋から冬にかけて多くなる。2012年度は目撃例が減少したが、それが今年も続くとは限らない。ハイキングに行く場合はご用心。(礒野健一)
更新日時 2013/07/09