つまみ食い㉑ 十八番まんじゅう
看板娘が小さな手にまんじゅうを握って「どうじょ」と迎える。阪急岡町駅前にある「十八番(おはこ)まんじゅう」の看板娘は1歳4カ月の唯ちゃん。唯ちゃんは生後2カ月から店に出て、祖母、中川淳子さんと母の山崎裕紀さんが切り盛りする姿を見ながら育ってきた。
もともとは島根県益田市の「千両まんじゅう」のフランチャイズ店として出発した。千両まんじゅうは、小判型まんじゅうで、あんはこしあん1種類だけだった。「チョコレートやクリームもあればいいのに」というお客さんの声を聞いた中川さんは2009年に独立して、店名を「十八番まんじゅう」にした。
開店当初はつぶあん、こしあん、カスタード、カレーの4種類を用意した。「粉をひとつとっても、数えきれないほど試した。生地とあんの相性が合わなくて、最初は失敗ばかり」と振り返る。今は豆乳クリーム、ハムマヨなどが加わり8種類。秋のクリあん、冬の生キャラメル、黒豆あんなど季節ごとのまんじゅうも人気がある。「生地は冷めてもやわらかく、10個~20個を持ち帰るお客さんも」と裕紀さんが話していると、すかさず看板娘が「まんま、どうじょ」。(進藤郁美)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」第57号(2013年10月10日)
更新日時 2013/10/09