このエントリーをはてなブックマークに追加

編集長のズボラ料理(57) モヤシとネギの天ぷら

塩をふって食べるが、まっ茶塩だとか、レモン塩だとか、少し味がついている塩がおすすめ

 モヤシはおいしいのか、と言われと、そうでもないような気はする。しかし、何かとよく使う。だから、モヤシをどう評価するかは、結構難しい問題である。
 モヤシは安い。スーパーで買えば、1袋は安いと39円だ。これがモヤシをよく使う最大の理由のような気がする。でも、値段が安いものに限って、値段の小さな差が気になるからやっかいだ。
 モヤシの場合も、39円の横には、たいてい49円の袋がある。根切りモヤシなら、59円となる。まず悩むのは、根のひげを取る手間を省くために、余分にお金を払うかどうか。次に、ひげを取る決断をした場合、並の39円にするか上の49円にするか。つまり、2段選抜制なのだ。
 では、並と上の差は何なのか。モヤシはシャキシャキしているだけのものだから、僕など味の差はわからない。だとすると、39円に落ち着きそうな気がする。ところが、そのひげを取る2分間が惜しいとか、高くでもたかが10円だから、といった邪念がわいてきて、結局は思考は振り出しに戻ってしまう。
 豆モヤシの場合はもう少し高く、69円くらいになる。なぜか、すべて10刻みなのである。焼き肉や韓国料理の店に行くと、モヤシのナムルを食べる。弟夫婦が家に遊びに来た時、自分で作ってみようと思った。ただし、作り方は全く知らない。ぶっつけ本番だが、シャシャキさせればいいいのだから、簡単なものである。シャキシャキ感にだけに注意を払って、ゴマ油と塩であえてしばらくおき、食卓に出した。
 まず、自分が食べてみた。大変シャキシャキしている。でも、何か変だ。料理好きの義理の妹もそれに気づいたらしい。疑問点を聞いてきた。情け容赦なく、しかもストレートに。「モヤシ、ゆでました?」。何、モヤシはゆでるのか! 生だからシャキシャキしすぎているのか。そのできごと以来、義妹は僕の料理を全く信用していない。
 ということで、今回はモヤシを使う。面倒臭いから高い方の根切りモヤシを使う。ネギは適当に細長く切る。モヤシとネギをビニール袋に入れ、さらに小麦粉を入れる。袋の口が閉じるように手で持って振り、モヤシとネギの小麦粉をまぶす。小麦粉にコーンスターチを混ぜて水で溶き、それを天ぷらの衣にして揚げる。塩をふって食べる。
 コーンスターチを使うのは、シャキシャキ感を増加させためと、シャキシャキの屈辱を記憶に留めるためである。今度、義妹が来たら、これを食べさせてやる。(梶川伸)

編集長のズボラ料理 ズボラ モヤシ

更新日時 2013/09/28


関連地図情報

関連リンク