阪急ものしり帳⑰ 車体の色「マルーン」
阪急電鉄は車体の色を「阪急マルーン(maroon)」と表現する。「maroon」はフランス語の「マロン」がもとになった英語表記で、クリ色などを意味する。広報部によると、マルーンを和訳する場合には、アズキ色、えんじ色とすることが多いそうだ。
広報部の話では、戦前は日本の車両の色は焦げ茶色が多かった。阪急も創業時の箕面有馬電気軌道の時代から焦げ茶色だった。戦後になって、塗料の開発もあり、各電鉄会社はさまざまな色に変えた。
阪急はもとの色を基本にした。1960年に「2000系」車両が登場し、この車両の色を少しずつ改良し、現在のつやのあるマルーンになった。マルーンの外観、木目調の内装、オリーブ色の座席が、阪急電車のシンボルになっている。
塗装は正雀(しょうじゃく)工場(摂津市)で行う。車両を巨大な自動塗装装置に移し、ロボットアームでウレタン塗料を吹き付ける。かかる時間は、マルーン部分と屋根のアイボリー部分を合わせても30分あまりと速い。おおむね4年に1度、化粧直しをする。(梶川伸)
更新日時 2013/03/06