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阪急ものしり帳⑭ 忘れ物の行方

お忘れ物センターの係員は、休日にデパートなどに行き、ブランド名を覚える努力もするそうだ

 忘れ物はどういう経路をたどるのか。阪急梅田駅の「お忘れ物センター」に聞いた。
 忘れ物が駅に届くと、駅員が見つかった場所などを書いた札をつける。夕方になると、17の主要駅に集める。宝塚線では豊中、石橋など5駅。翌朝、袋に詰めてセンターに運ぶ。全路線で400から500。
忘れ物全体の約2割が傘だという。「ひと雨ふれば100本増える」と係員。2006年には4日間で2190本の傘が届いた記録があるという。
センターでは1点ごとのリストを作り、パソコンで入力する。忘れ物は路線ごと、種類ごとに分類して棚に保管する。問い合わせや引き取りに対応するためだ。水曜日と日曜日には1点ずつチェックをしながら、棚卸しをして別の棚に移す。空いた棚には新しい忘れ物を収納する。
引き取り手がない品物はほぼ3日間隔で、曽根崎警察署に運ぶ。150センチ四方の風呂敷に包み平均で10個。このほかに傘があるので、トラックを使う。忘れ物の届けがあると、係員が署に行って探す。署員ではどこに何があるかわからないからだ。弁当箱は洗って保管、生き物は逃がしに行く。そんな苦労をするのだが、返還率は14%に留まる。(梶川伸)

更新日時 2012/12/05


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