身近な生き物たち⑩ 冬の渡り鳥
豊中市の服部緑地ではこの時期、冬の渡り鳥たちが数多く観察できる。
1月29日に行われた初心者向けバードウォッチング会(服部緑地探鳥会主催)では、約30種類の鳥を観察した。マガモ、ヨシガモ、オナガガモ、キンクロハジロといったカモの仲間は、越冬地の日本が恋の場所。羽で美しく彩ったオスたちが、メスに求愛する様子が見られた。水に潜って貝やザリガニを取るカイツブリ(渡りはせず1年中、服部緑地に留まっている)、水面にくちばしを浮かせて、入ってきた水をこしながらプランクトンなどを食べるハシビロガモなど、種類ごとに違うエサの食べ方を見るのも面白い。
また、冬は木の葉が落ちるため、森の小鳥たちも見つけやすい。公園で遊ぶ人が少ないため警戒心が薄まるのか、会ではメジロやジョウビタキが間近までやって来た。「これだけ近くに、しかも長い時間とまるは珍しい」と、案内してくれた探鳥会のメンバーも興奮した様子だった。
会に参加した重岡昌志さんは「こんなにしっかり鳥を見たのは初めて。頭の後ろにくせ毛のような羽があるキンクロハジロが気に入った」と話した。
渡り鳥たちは3月上旬ごろから徐々に日本を離れるので、2月いっぱいは観察できる。(礒野健一)
更新日時 2012/01/31