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災害時のライフライン⑦ 大阪ガスの対応(下)

詳細な住宅地図と連動し、地下のどこに導管が敷設されているか分かる独自ソフトを使い、的確な復旧作業を行う

 ガス管の異常などの情報は、大阪ガス本社中央司令室(大阪市中央区)に集められる。そこから各地域の保安基地に指令がいき、補修作業が始まる。豊中・池田エリアは豊中基地、千里基地が担当している。1998年3月には、中央司令室が被災して使用不能となった場合に備え、中央指令サブセンター(京都市下京区)もでき、緊急時に備えている。

 地震によって破断したガス管工事の様子は、知らない人が見れば水道管工事のように見えるかもしれない。「ガス管と水道管は隣接して埋設されていることが多いので、破断したガス管に水が入ることが多い。まずは排水する作業が大変」と、導管事業部の米原理さんは話す。これは阪神大震災の時に多数見られた事例で、その時の経験が、3月の東日本大震災の復旧作業で生かされたという。

 大阪ガスは日本ガス協会の要請を受け、約1300人を震災の復旧支援に派遣し、全国から集まったガス事業者と協力して宮城県で作業に当たった。

 支援隊の中隊長を務めた植田明宏さんは「石巻市では地盤沈下のせいで、満潮時に冠水してしまうなど苦労もあったが、阪神大震災を経験していたため、水を抜く作業など計画は立てやすかった」と話す。現場で広報業務を担当した岡沢圭介さんは「途中で震度6の余震もあったが士気は落ちず、全国のガス事業者が皆、熱い気持ちで作業をした。地元の方からの『ありがとう』の言葉がうれしかった」と笑顔になった。(礒野健一)
=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」28号(2011年8月25日)

大阪ガス 東日本大震災

更新日時 2011/08/22


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