このエントリーをはてなブックマークに追加

災害時のライフライン③ 池田・古江浄水場

古江浄水場の屋上にある沈殿池

 池田市北西部、猪名川と余野川が合流する地点に、全国的にも珍しい階層式浄水場の古江浄水場がある。

 階層式浄水場とは、ビル形式の立体化した浄水場で、平面浄水場に比べて敷地面積が少なくすみ、施設の維持・管理が容易といった特徴がある。古江浄水場はポンプで地上4階まで水を汲み上げ、そこから沈殿池、ろ過池などを通して、取水から約4時間で浄水ができる。

 池田市の水道は96%が古江浄水場からの自己水で、4%が淀川水系の大阪広域水道企業団からのものとなっている。複数水系をとるのは災害時に一方が止まっても対応できるようにするためだ。また、猪名川の一庫(ひとくら)ダムができるまで渇水が多かった池田市では、今も取水制限が行われることがあり、その際に企業団からの割り当てを増やすことで、市民への給水に支障を来さないようになっている。

 消毒に使う次亜塩素酸ナトリウムも浄水場で自己生成しており、水質は浄水場内の中央管理室で常時監視している。猪名川、余野川ともに取水時の水質がよいため、高度処理水にまでしなくてもよいという。浄水課の角信男課長は「池田はもともと酒所ですから、いい水が流れているんですよ」と話す。東日本大震災以降注目される放射能の値は、定期的に検査をしているが問題のある数値は検出されていないという。

 市内の水道管の耐震化は、老朽化による交換時に耐震管へ移行しているが、年間3キロほどのペース(全体の約1%)だ。五月山にある寺尾山配水池は耐震構造となっており、緊急遮断弁も設置され、災害時の水の確保に備えている。(礒野健一)
地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」24号(2011年6月23日)

古江浄水場

更新日時 2011/06/23


関連地図情報

関連リンク