編集長のズボラ料理(762) 豚薄切りバラの巻き巻きカツ
豚バラ肉は安い。それなのに、味があると感じる。2つもいいところがあるので、僕の大好きな食べ物の1つになっている。
お好み焼きを食べる時、中身は豚玉に勝るものはない。それは大阪の人気店、風月でも、ゆかりでも、ぼてじゅうでも、おかるでも、オモニでも、きじでも変わらない。
牛肉の肉玉は、少し高級感を出そうとしているのかもしれないが、あまり効果があるとは思えない。神戸ビーフか近江牛の厚切りを使わない限り、豚には及ばない。
ただ、大阪市・十三の店「やまもと」だけは、ちょっと違う。牛肉のすじ肉とコンニャクを具にした「すじコン」が、圧倒的な人気を誇る。客は開店前から列を作る。営業を始める少し前になると、店員さんが列の先頭から注文を聞いていく。開店してすぐに食べられるように、焼き始めるためだ。。
客は順番に答える。「すじコン」「すじコン3つ」「すじコン2つ」。そろってすじコンで、「豚玉」とでも口にしようものなら、列から弾き出さそれそうな雰囲気が漂う。
奈良の遊び仲間の家で時々、しゃぶしゃぶ大会をする。肉は近鉄百貨店奈良店に入っている精肉店「福館館」で買うのが、恒例にになっている。食べるのは牛肉はまれで、ほとんどは安い豚肉にする。値段を気にせず、バクバク食べられるからだ。
しょぶしゃぶ用は薄くスライスしたものを数枚ずつ、ビニールのシートに挟んでいる。ロースとバラ肉のシートがあり、1人2シートだと両方を1つずつ買う。ところがどうも物足りない気がして、3シートにする。その場合はバラ肉の方を1シート増やす。
メンバー全員、バラ肉好きで一致している。それは、メンバーがバラバラにならず、結束していることを再確認する場ともいえる。ほんまかいな。
薄切りの豚バラ肉を、2枚セットで使う。カタクリ粉を水で溶いておく。
肉は1枚を伸ばす(長ければ適当に切る)。その上に大葉ととろけるチーズを置く。もう1枚の肉でふたをし、肉は端の方からクルクル巻いていく。最後は水溶きかたくりを塗って接着剤にする。同時に、輪の両側にも塗っておく。小麦粉をまぶし、溶いた小麦粉につけたうえでパン粉をつけ、カツとして油で揚げる。
しゃぶしゃぶ大会は結局、豚肉はビールと酒のあてとなる。開始してしばらくすると、飲む方に重点が移り、3シートを完食することは少ない。メンバーの豚肉の残り方
は、いつもバラバラである。(梶川伸)2024.10.03
更新日時 2024/10/03