編集長のズボラ料理(700) ナガイモの梅肉炒め
ナガイモは好きな食べ物だが、食卓の主役にはなりきれない。それどころか、自分が長いのに、「長い物には巻かれろ」と考えているのか、脇役としても目立ちにくい。
兵庫県・淡路島は牛の肥育地で、最近は牛丼をアピールしている。たくさんの店がこの企画に参加しているようだが、淡路島の牛を使う以外にあまり縛りはないようで、店によって特徴がある。
僕が食べたのは、南あわじ市、海上ホテルの牛丼だった。ここのはどちらかといえば洋風の作りで、薄切りの牛肉に味をつけて炒めたものをご飯に上に乗せ、その周りを炒めたタマネギとパプリカ、生のレタス、ミニトマトのほか、ネギとニンジンで埋めている。
すりおろして少し味をつけたナガイモが用意してあり、好みでかけて食べる。ご飯の上という表舞台には出ず、好まれた時だけ役が与えられる悲しい立場だった。みそ汁、漬け物、フルーツがついていた。こうなると、洋だか和だか、わからなくなる。
秋田の食べ物に、たくわんをいぶした「いぶりがっこ」がある。秋田県角館市で、「がっこ懐石」を食べてみた。箱膳で、いぶりがっこをメーンにしたおかずが、9つのますに少しずつ入っていた。1つのますに入っていたのが、ハクサイがっこの千切りとナガイモだった。
ナガイモの存在感は薄かった。9分の1の様委舞台で、たかが漬け物の添え物に甘んじていた。
居酒屋さんでは、ナガイモの短冊はよく頼む。しかし、ナガイモばかりサクサク、バクバクたべているわにはいかない、メーンは刺し身はから揚げだ。ヤマイモも単独で健闘しているが、脇役の域を出ない。
今回は その延長線上で、主役を目指す。ナガイモを拍子木に切る。フライパンにバターとオリーブオイルをひきナガイモを炒める。火が通ったら梅肉をくわえてさらに炒め、最後に黒コショウを振る。
これなら主役だろう。ただし、僕にとっては酒のあてだから、主役は酒かな、と思ってします。。(梶川伸)2023.11.30
更新日時 2023/11/30