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心にしみる一言(401) 境内の土は粘土のように固い

御室桜

◇一言◇
 境内の土は粘土のように固い

◇本文◇
 京都市・仁和寺の桜は、地名をとって御室桜と呼ばれる。遅咲きで、背丈が低い。
 その理由を寺の人に聞くと、取り上げた「境内の土は粘土のように固い」と返ってきた。続けて、「土中に酸素や栄養分が少なく、桜が根を伸ばせない。そのために背が高くならず、2~3メートルで止まってしまう」と教えられた。
 御室桜は境内の一角に密集状態で植えてある。数は200本ほど。2017年に行った時は、4月13日だった。満開から散り始めの時期で、京都の他の桜に名所に比べると、1週間ほど遅い。境内の小葉の三葉躑躅(みつばつつじ)も咲いていて、桜と春を競演していた。
 花びらは大きめで、塊になっている。塀に近い場所は少し高くなっていて、そこから見ると、桜の雲を下に見て、雲の中から五重塔が頭を出しているように見えた。
 再び寺の人の話。「元は八重だったが、先祖帰りして一重になってきた」。確かにほとんどが一重になっている。八重だから遅いと思っていたが、そうではないようだ。
(梶川伸)

更新日時 2023/02/24


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