災害時のライフライン① 豊中・水道 応急給水11カ所
面積36.6平方キロの豊中市の地下に、長さ約800キロもの上水道管が張り巡らされている。日常は安定した水の供給が行われているが、大きな地震などの災害に対して、どのような対策が取られているのだろうか。
豊中市の水道水は、大阪広域水道企業団から供給される淀川水系の水が9割を占める。残り1割は猪名川からの自己水を使っている。2系統からの給水なので、災害時にもある程度、相互融通ができるシステムだ。
水質は市内10カ所のモニターで監視され、測定結果がホームページに公表されている。東日本大震災後、注目を集める放射能値は、大阪広域水道企業団が測定・発表しており、5月23日現在、放射性物質は検出されていない。
地震の際の断水は、水道管の破断が原因となる。破断しにくい耐震管への取り替え工事は年7~8キロというペースのため、すべて耐震管に切り替わるのは当分先だ。
2001年に耐震基準に基づいて建設された柴原配水場(待兼山町)には、緊急遮断弁が設置されている。末端の管が破断した時に、異常な流量を感知し自動的に弁が閉まる設備だ。水が垂れ流しになって断水区域が広がるのを防ぐ役割を負う。流量の変化によって作動するため、停電状態でも問題ない。
また、市内には災害時の応急給水拠点が11カ所あり、緊急時には仮設給水栓が設置され、住民に水が分配される。さらに市には2トンの給水タンク車が2台配備され、拠点から遠い地区への給水に備えている。(礒野健一)
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=地域密着新聞「マチゴト豊中・池田」22号(2011年5月26日)
更新日時 2011/05/26