心にしみる一言(360) 高齢者81人に友愛訪問を兼ねて毎月の会報を届けている
◇一言◇
高齢者81人に友愛訪問を兼ねて毎月の会報を届けている
◇本文◇
大阪府枚方市は毎年、市内の自治会やPTA、サークルが発行する機関紙のコンクールを開いてきた。私は頼まれて、何度か審査に加わった。
ところが新型コロナウイルスの影響で、2020、2021年度は中止になった。その代わり、「機関紙コレクション」と題して、コロナ禍の中での機関紙を集め、市の広報紙で紹介した。私は講評を頼まれた。
機関誌を読ませてもらって、分かったことがある。1つ目はどこの団体も大変な苦労をして取材、編集、発行、配達をしていたこと。2つ目はコロナがもたらした人間関係の希薄化を機関紙が補い、回復させたこと。3つ目は、そんな機関紙の役割を発行者が再認識し、熱意へ変えていったことだった。
機関紙にはそれぞれ応募用紙が添付され、発行者の思いがつづられていた。「アンケートをとるたびに消毒した」「町内会で小規模な活動を行い、地域のコミュニケーションの維持に努めた。機関紙ではこれらの行動をこまめに取り上げて、地域のつながりを維持する啓発を行った」「こんな時こそ心は密に」。そんな言葉が並んでいた。
「一言に」取り上げた言葉は、西牧野3丁目悠々クラブの応募用紙にあった。機関紙自体が、人と人をつなぐ重要な媒体になっていたことを物語る。敬老の日のつどいの3日前に、開催を知らせる案内を別途配ったこともあり、会員の85%がつどいに参加したとの報告もあった。
さらに「催しがあまり出来なくっても、毎年会員が増加している」と書いてあった。これも機関紙の力と、それを大事にする人たちの思いの強さによるものだろう。(梶川伸)2022.02.11
更新日時 2022/02/11