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心にしみる一言（349）　品種に「初」「月」がついているのは概して早く咲く

椿寿園で見たバレンタインデー

◇一言◇
　品種に「初」「月」がついているのは概して早く咲く

◇本文◇
　奈良県大和郡山市に、椿園「椿寿園」がある。個人がビニールハウスで椿を栽培していて、時期になると、訪れる人は拒まない。そこで２０１８年の２月にお邪魔した。
　見せてもらうお願いをしようと、家を訪ねると、「チャイムが故障しています」と張り紙があった。大きな農家で、敷地の中にいくつもの家屋がある。それぞれ建物の前で声をかけてみるが、応答がない。５分くらいして、１つの家から奥さんが出てきて、やっと見せてもらう了解をとった。
　ハウスは２つ。１つ目のハウスに入ると、５筋の畝ができていて、背丈より少し高いくらいの椿がずらりと並んでいた。それぞれに品種の名前を手で書いた札をつけていて、同じ品種はほとんどなかった。
　バレンタインデー、三宝椿、延寿紅、紅侘助、妻籠、紫式部、乙姫、絞妙蓮寺、ワーリンガーベル、楼蘭、原城、赤八幡、新赤西王母、初霜……。書き留めたのはこのくらいだった。２つ目のハウスは鉢植えのものも並んでいた。
　奥さんに話を聞くと、祖父がやっていたのを引き継いだ。商売ではなさそうだった。
　椿と山茶花との違いも聞いた。「葉は椿の方が固くてつやがある。おしべが茶筅状になっているのが椿」。そう教えてもらった。増やすのは挿し木。種で育てると先祖返りするそうだ。
　見ごろは３月中旬。品種に「初」「月」がついているのは概して早く咲くとか。椿について、いろいろなことを知った日だった。（梶川伸）2021.11.28


更新日時　2021/11/28

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