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心にしみる一言(323) イワシ以外は魚の子

伊吹島のイリコ工場

◇一言◇
 イワシ以外は魚の子

◇本文◇
 瀬戸内海に浮かぶ伊吹島(香川県観音寺市)は、イリコの島として知られる。25年程前、高松市に住んでいたころ、1度だけ訪ねたことがある。讃岐うどんの正統派は、伊吹島にイリコでだしを取っていたから、イリコ工場を見学したいと思ったからだった。
 島にイリコ工場がいくつかあったが、休みばかり。1つの工場で女性が数人働いていた。話かけると、日曜と木曜は漁が休みで、従って休みの工場も多いという。その日は木曜日だった。
 イリコについていろいろ教えてもらった。イリコは夏場のものというのも初めて知った。6月から9月が本場だが、最近(訪ねた4半世紀前。以下もその時点でのこと)は9月になるとほとんど獲れないらしい。
 ここ2、3年は量が減り、乾燥機を半分しか動かしていないとか。その年は久々に量が多く、そうなると選別が大変だという。イワシ以外の子がよく混じっているためだ。そこで、上記の言葉となる。「イワシの子がイリコ。イワシ以外は『魚の子』と言う」
 イリコをたくさん試食させてくれた。ヒイカも試食させてくれたが、これはいい値段になるようだ。イリコ以外の子は、大きなビニール袋に一杯入れて、お土産にくれた。タチウオの子も混じっていた。
 イリコは塩加減と乾燥の度合いだという。お礼を言って立ち去ろうとすると、引き止めて工程まで説明してくれた。(梶川伸)2021.08.05

更新日時 2021/08/05


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