心にしみる一言(303) 最初に名前をつけたのはヤマトグサ
◇一言◇
最初に名前をつけたのはヤマトグサ
◇本文◇
四国森林管理局が主催した木に関するコンテストがあり、審査員を頼まれて、高知市に出向いたことがある。役目を終えた後、高知県立牧野植物園に連れて行ったもらった。
植物学者、牧野富太郎博士を顕彰する植物園で、学芸員に園内を案内してもらった。建物が目をひく。20数億円かけたといいい、鉄パイプを馬蹄型にし、それに屋根をつけていた。
牧野博士についても、いろいろ教えてもらった。牧野博士は1500くらいの植物の名前を決めたそうだ。日本の植物は6000くらいで、3分の1から4分の1にあたる。山桜や酔芙蓉もそうだ。
そんな説明に中に、取り上げた言葉があった。第1号に「ヤマト」の言葉をつけているのがおもしろい。小さくて地味な花を咲かせる。
話を聞いて、1番印象に残ったのはバイカオウレン(梅花黄連)だった。牧野博士の花の代表格で、植物園のシンボルマークにもなっている。その時は、時期が違い、見ることができなかった。
植物園の中を、遍路道が通っている。園は歩き遍路がこの道を通る場合、入園無料の粋な計らいをしている。後年、園の遍路道で梅花黄連が咲いているのを見た。小さな白い花びら(実際にはがく)にオレンジの点がついている。春を待ちわびた早春の花。(梶川伸)2021.04.20
更新日時 2021/04/20