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心にしみる一言(296) 3日に1回は自然のための雨

大島の88カ所遍路

◇一言◇
 3日に1回は自然のための雨

◇本文◇
 愛媛県今治市の大島に、大島88カ所がある。四国88カ所をまねて1807年に開かれたミニ88カ所。ミニとはいえ、距離は約60キロある。
 2006年に初めて巡拝した。大阪から行き、島で2泊して回った。
 大島ではそのころ 旧暦3月19日・20日・21日の3日間、島をあげて遍路まつりで、開催していた。それでは毎年の日が大きく変わる。そこで、今は4月第4土曜日からの3日間に決めている。
 驚いたのは、88の札所など計約100カ所で、お遍路さんをもてなすお接待があったことだった。ほとんどが食べ物、飲み物だった。全部をいただいていると、大変な量になる。
 例えば赤飯、すし、うどん。婦人会は揚げたての天ぷらをふるまっていた。お茶をたてている接待所もあった。酒飲み地蔵のある札所では、竹輪と日本酒のお接待をしていた。
 1日目と2日目は天気に恵まれ、お接待をいただきながら、気持ちよく歩いて回った。3日目も好天。そのうれしい気持ちをお接待をしてくれた人に伝えると、取り上げた言葉が返ってきた。「こちらでは3日に1回は自然のための雨と言うんです」。島では水が大切で、特に農業には欠かせないからだろう。自分の身勝手さを反省した。
 大島はグループで回った。たくさんのお接待の品をいただき、その場で口にしなかったものも多かった。仲間の1人は、島でお土産を買い、それと一緒にお接待の品を宅配便で自宅に送っていた。(梶川伸)2021.03.25
 

更新日時 2021/03/25


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