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◇一言 夕日は1日の思い出を一杯詰め、重くて重くて沈んでいく ◇本文 親子で手をつなぎ、夕日を見る時間を作ろう。そう提唱している二木賢治さんが言っ...
燃やすことと埋めること。女は庭を見ながら、その違いを考える。 女は離婚して数年がたっていた。1人暮らしなので、会社の仲間と食事に行く機会が多かった。その日...
◇一言 そばで話していると、顔が紅潮してくるんです ◇本文 良子さんはベッドに寝たままだった。「静かな生」。そう見えた。現実は医療ミスのため、16...
◇一言 1秒でも長く生きる、それが僕の闘いだ ◇本文 この言葉には、もう少し続きがある。「それなのに、自ら命を断つ人は許せん」 20年ほど前、...
◇一言 本日家族 増員名簿 ◇本文 四国八十八カ所参りの道筋には、歩き遍路を無料で泊める家がある。善根宿という。 高知県土佐山田町の都築靖夫...
男は「これが最後の恋」と言う。ありきたりの言葉だが、ニュアンスが違う。相手も男である。 若いころ、京都のお茶屋で過ごした。花柳界や芸ごとにかかわる男性の中...
第8回JKJO全日本ジュニア空手道選手権大会(2014年11月22日、東京)で男子70キロ超の部準優勝の豊中高校1年、田中雷三さん1月8日、豊中市役所を訪れ、...
台風が近づいた日だった。男は四国八十八カ所の二十三番札所、薬王寺のそばの宿で目を覚ました。雨は降っていたが、風はそれほど強くなかった。少しためらった後、意を決...
ブーツの好きな男だった。死ぬまでそれは変わらなかった。女はあきれもし、あきらめもしたが、妻の立場としては、最期を看取る役割は果たしたつもりだ。 瀬戸内の小...
サン・テグジュペリの「星の王子さま」の文庫本を、男はかばんから取り出して見せた。時々、持ち歩くのだと言う。 家には箱入りのハードカバーのものがある。40年...