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編集長のズボラ料理(463) ナスのバターしょうゆ

時間を置くと、ナスの紫色が失われる

 バターは使った食べ物の王様は、ジャガバタだと確信して3いる。ジャガイモを蒸して上の方を十字に切り、そこにバターを乗せる。バターが熱でジワジワと溶ける。
 ジャガバタといえば北海道だが、北海道にはそれだけでなく、おいしい食べ物が多い。毛ガニもあれば、タラバガニもある。大阪と札幌を行き来している友人は、花咲ガニについて口を開くと、15分は止まらない。北海道ではカニだけで会話は延々と続く。
 サッポロラーメンもあれば、旭川ラーメンもある。大阪の友人は、札幌に行きつけのラーメン屋さんがあると自慢する。北海道に関してはラーメンだけでも話ができる。
 駅弁といえば森のいか飯で、北海道の物産展があると、つい手が伸びる、土産といえば六花亭で、病気のお見舞いには夕張メロンである。おいしいものには事欠かない。
 それでも、ジャガバタには及ばない。僕など、学生時代に北海道に行き、ジャガバタを食べたことを、半世紀以上も話し続けている。家でも作って食べる簡単料理なのに、これに勝るものにはなかなかお目にかからない。
 北海道を離れて、バター料理を考えてみる。ホテルの朝ご飯の名物は、シェフがその場で作るバターを使ったオムレツだろう。家で作らない。オムレツをラグビーボール型にするために、手首をトントンしなければいけない。これが難しいからだ。恰好は関係なかった。
 結局は、自宅でバターを気楽に使うのは、ジャガバタを除けば、パンに塗るくらいのものだ。ただ、トーストならパンが熱いのでバターが溶けるが、焼いていないと溶けないから厄介だ。そこで、薄い板状に切って、パンに乗せる。下手をるると、厚切りになって、パンの上にレンガを積んだようなものになる。食べると、口の中がバターだらけになる。
 そこで塗りやすいマーガリンを使っていた。ところが、味はバターにはかなわない。どうしたものか日夜悩んでいたら、バターの入ったマーガリンで出てきた。しかもバターの割合がどんどん増え、今ではバター50%と表示してある。これなら、塗りやすい。明治乳業の人も、日夜悩んでいたに違いない。
 今回は熱いものとのセットなので、バターを使う。ナスにフォークを刺して、たくさん穴をあける。ラップをかけて、電子レンジで2分ほど温める。ナスを取り出さして縦に切り、皿にのせ、熱いうちにバターを乗せて溶かし、しょうゆを垂らし、カツオ節をかける。
 マーガリンのバター含有率は、どこまで上がっていくのだろう。50%でもバター入りマーガリンでいいのか、マーガリン入りバターではないのか、考えだしたらきりがないのに。50%を超えるとなると……。(梶川伸)2020.12.10

更新日時 2020/12/10


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